親の通院送迎の実践ガイド
「親の通院のために運転を再開した」——講習の受講理由の定番です。送迎は運転技術だけでなく、乗り降りの介助や病院での立ち回りも含めた総合戦。実践的な知恵をまとめます。
乗り降りの介助のコツ
高齢者の乗り降りは、転倒リスクがもっとも高い瞬間です。
- 停める位置で9割決まる:段差・傾斜・砂利を避け、ドアを全開にできる平らな場所に。乗降側に十分な空間を
- 乗る時:お尻から:シートに浅くお尻を乗せてから、体を回して足を入れる。頭からの乗り込みは体勢が崩れやすい
- 降りる時:足から:両足を地面に着けてから、立ち上がりを支える。ドアの縁や手すり(アシストグリップ)を掴んでもらう
- 便利グッズ:ドアの縁に付ける補助ハンドル、回転しやすくする座面クッションなどが介護用品として市販されている
前席は座面が高めで乗り降りしやすい車種が多く、会話もしやすい。本人の状態に合わせて席を決めてください。
病院での立ち回り
- 車寄せ(正面玄関)を使ってよい:多くの病院が乗降用の車寄せを設けている。まず玄関前で本人を降ろし、院内の椅子で待ってもらってから駐車場へ。この二段構えが基本
- 車椅子の貸し出し:玄関に備え付けの病院が多い。歩行が不安な日は遠慮なく借りる
- 障害者等用駐車区画:対象者の利用証制度(パーキングパーミット)がある地域も。該当するなら自治体で交付を受けておく
- 帰りの精算・薬局の待ち時間:本人を待たせる場所と自分の動線を、初回に把握しておくと2回目から楽
初めての病院は、送迎の予行(下見)をしておくと当日の負荷が半分になります。
車椅子の積み込みと、無理しない選択肢
車椅子を持ち運ぶ場合のコツです。
- 折りたたみ、ブレーキをかけてから持ち上げる。腰を落として体全体で(腰を痛めるのが送迎者の職業病)
- 積む場所はトランクか後席の足元。積み方を一度決めて毎回同じにする
- 軽量タイプ(10kg前後)への買い替えで、積み込み負担は大きく減る
そして大事なのは、全部を自分の運転で背負わないこと。体調の悪い日や大きな病院への通院は、介護タクシー(乗降介助込み)という選択肢があります。ケアマネジャーがいれば、通院支援の制度も含めて相談を。「普段は自分、大変な日はプロ」の使い分けが、送迎を長く続けるコツです。